税理士業界の製販分離の先に待っているものは?

未来

今回の話は税理士・会計事務所業界特有の話です。しかもかなり主観的で抽象的な話です。

思いを強めに入れたので、構成も雑ですね。。。

製販分離が悪いという話ではありません、そもそも論の話です。

今回でてくるロボットという単語は、わかりやすくするために、システム化、AI、コンピューター、ソフト、電子化、すべて合わせてロボットと呼んでいます。

会計事務所の『製販分離』という単語がしっくりこない

製販分離が合理的なことはわかるんだけど、どうしてもしっくりこない。

コストサイドだけをいじる収益力の改善には限界がある、売り(商品)サイドをいじらないといずれ限界がくる。
人の再配置と多少のシステム化で生産性をあげることには限界がある。数年は持つだろうが、ボトルネックがくる。その先まで考えて組み上げないと意味がない、というか途中で崩壊する

というか、ここまでコンピューターが進化したり、他にも昔よりずっと便利になって効率が断然良いはずなのに、製販分離しないと解決できないんだとしたら、先に解決すべき問題がたくさんあるんじゃないかな?
価値の見直しや、単純に価格を上げた方がいいとかも含めて。圧倒的に非効率ならわかるけど。。。

そもそも私は『製販分離』という単語が苦手なんです。。。その理由は次の2つ。
(『製販分離』じゃなくて『役割分担』という単語ならいけるから気持ちの問題かな)

税理士業界はモノづくり業でもサービス業でもなくて、問題解決業なんです

世の中の全ての取引が電子取引になって、税務申告から決算書作成、日々の数値管理まですべて自動でできるようになったとき、会計事務所はいらなくなる?そう思いますか?

⇒本当に製販分離という単語だけのスタンスなら、全部自動でできるようになったら、仕事はなくなるでしょう。

でも、そんな時代が来たときに、中小企業の社長の悩みはなくなってると思いますか?なくならないですよね?

一緒に働いてきた人を直接的に『製』と呼ぶ訳ではないが、その感覚を持つこと自体が嫌だ

完全に気持ちの話(笑)。

ここまで働いてこれた、評価されてどんどん職階があがっていった、お客さんからメチャクチャ感謝されてここまできた、これらはすべて私が凄かったからです。。。じゃなくて、全部裏側で、ここでいうなら製造?をしてきてくれた人たちのおかげです。

間違いなく作業が苦手、そんな自分に今の立ち位置があるのは製造?のおかげではない、人のおかげだ。

だから製販分離という単語を変えてほしい。。。

製販分離という単語が苦手なせいで、この後の意見に多少フィルタがかかっている感があるのは、しがない一個人の意見として多めにみてください(笑)

ただ、何か1つでも気づきがあれば嬉しいです。会計事務所の製販分離の先に待っているものは?

税理士、会計事務所業界では何年か前から『製販分離』という言葉がにぎわっています。
これは単語自体は他の業界のそれと同じですが、税理士業界の場合は少し違います。

会計事務所の製販分離とは?

簡単にいうと、こんな分け方です。

販売:中小企業の社長と接触して会話をする人
製造:そこで必要な資料や試算表、決算書、その他の作業などをする人

今までは、1人の人が決算書を作ったり、お客さんのところに行ったりしていたのを、ハッキリと分けて時間的に効率化して生産性を上げる。というのが税理士業界でいうところの、製販分離です。

具体的な打ち手としては、人の再配置と仕事を見える化させるための多少のシステム化、です。
これが今、税理士業界で言われている製販分離です。

税理士業界の製販分離が他の業界と違う点

税理士業界の製販分離が他の業界と大きく違うのは、製造側の商品が弱い、ということです。販のアウトプット次第で商品の価値が変わるんです。問題解決業なんで価値の絶対値がないんです
(商品が強い事務所もありますが、ここでは標準的な話として)

自動車業界の商品である車そのものへの価値、のようなものは、税理士業界の製造では作れません。作れたとしても販のアウトプット次第で価値が大きく変わります。

この前提を無視して生産性の向上だけに焦点をあてても長くは続きません。価値のあるアウトプットをできる人がどんどん減っていきますから。

製販分離に必要なこと、というか事業継続に必要なこと

製販分離で本当に大事なのは、その効率化した時間を使った商品強化、販の変化なんです。最終的な目標は効率化ではなく価値を上げることなんです。

それをしないで、効率化した時間で新規顧客の増加、をしても長い目で見たら製販分離構造だけ残って、収益力は元に戻るはずです。むしろ製の劣化が起きたら元の状態より悪くなります

簡単にできるコストサイドへの打ち手だけで収益力を上げようとしてないか?頭を使う商品開発や時間のかかる人材育成を放棄してないか?それをしないで、製販分離だけしても、待っている未来はロボット代用です。

税理士業界で今、製造といわれている業務のほとんどは間違いなくシステムで出来るようになる。そうならないというのは希望であり、税理士の無意味なプライドでしかない。それが製造だから。そこに思いもあるので悲しいけど、しょうがない。表面上の製販分離の行き先はそういうことだと思う。

うまくいっている事務所は製販分離だけでうまくいっていますか?

製販分離でうまくいっている事務所はあるでしょう、満足している人もたくさんいると思います。

でもその前にちゃんと全体見てますか??

・うまくいっている事務所は商品力が強くないですか?
・ソフト開発できたりしてませんか?
・オリジナルの価値提供スタイルが確立されていませんか?
・人材育成ちゃんとやってませんか?

ちゃんと全体を見ていますか?

製販一体だったからこそ、販のクオリティが維持できていた事務所が製販分離をしたらどうなるか考えたことありますか?

製販分離というものを、効率化のための単なる1つの手段、と捉えてる人なら問題ないですが、ものすごいウルトラCだと思っているとしたら、ちょっと一回冷静になってみてください。

先まで考えて組み上げないと意味がない、というか途中で崩壊する

商品そのものの価値が弱いまま製販分離をすると、販というアウトプットから切り離された製はどんどんパフォーマンスが落ちるはずです、長い目で見たら。製販一体のときには活躍できていた人も、長い目で見たら、パフォーマンスが落ちていくはずです。

これが私が製販分離を懸念する最大の理由です。たぶん導入して数年したら気付くはず。最初はパフォーマンスが上がるけど。

これ以上具体的に表現できませんので、意味が分からない人がほとんどかもですね、すいません。
でも感覚でそう思うんです。私の感覚、結構当たったりするんですよ(笑)

そうなってくると、次の一手はいよいよ圧倒的なシステム化です。

それでも、PLの利益だけにフォーカスしたら製販分離で解決できるけど、PLの構造をそのまま維持したい場合、人を活かしたい場合、は製販分離だけでは解決できないです。

現在:売上△人件費=利益
将来:売上△システム料(ロボット)=利益

だから、税理士業界の真の解決策は製販分離でないことは間違いない。
(税理士業界に価値があるので解決する必要がある、という前提なら)

長い目で考えると、自社の商品を変化・強化させないで製販分離だけしても収益力はいずれ元に戻るんです。これは当たり前の話なんです。
裏側を効率化しても最終的には表なんです。

スーパーマーケットが無人レジを導入しようが、商品が他と変わらなかったら、お客さんはこないんです。

「いや安くできるから来るんじゃない?」と思った人、

結局値段下げたら、製販分離して最大限効率化して収益力を上げても意味ないですよね。

「それでもたくさん来れば薄利多売で回収できるんじゃない?」と思った人。

そんな製造なら待っている先はロボット代用ですよね。
でも価値がないならそれもしょうがないですよね。

まとめ

何も考えずに製販分離だけしたら、その先に待っているのは、ロボット代用しかない。
そこまでわかっていて、PLの利益だけにフォーカスして戦略的に舵取りしているなら、それはそれで1つの戦い方だから何も思わない。

でも、中途半端な戦略で製販分離をするとどうなるか?

だから製販分離と聞くたびに違和感があるのかな?
でも、情に流され過ぎも良くないしな。

とりあえずこの本また読むかな↓

にしても、『製販分離』という言葉は変えてくれ(笑)

追記(2016/3/24)

後日、たまたま見かけたクーリエの記事↓を読んで、結局はそうだよねってさらに納得しました。

 

 


あとがき

【1問3答】
◆製販分離とは?
1)製造と販売を分けること
2)製販分離だけで会社が良くなることはない
3)長期視野を持たないと人の問題に着地するはず

ABOUTこの記事をかいた人


34歳、千葉県生まれ。大学卒業後、税理士法人・財務コンサルティング会社などで10年間勤務の後、独立。現在は中小企業の税務顧問などをしながら、創業100年企業の財務戦略を支援したりと税理士業以外での活動フィールドを拡大中。高城剛は天才だと思う。好きな言葉:一寸先は光。
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