「攻めの財務戦略」を展開する時でも「最低1つ」は逃げ道を作っておく

代替プラン

「戦闘においては、いかなる場合においても”大胆な案”を採用せよ。大胆な案は一か八かの案とは異なる。大胆な案は、最悪の事態における代替案をもち、それに転換できる予備を保有していることである」

ロンメル元帥

 

財務レバレッジとリスクコントロールはセットです。

経営をしていると、銀行借入などを多くして財務レバレッジをきかせた攻めの経営をする時もでてくるでしょう。そんなときでも、逃げ道は作っておきましょう。

もちろん失敗するつもりで攻めるわけではありません。
万が一失敗しても、また攻めれるようにするためです。
チャンスは多いほどいいですから。

財務リスクをとらない経営がベストだが・・・

財務レバレッジをきかせた攻めの経営、つまりリスクをとって他人資本(まずは銀行借入)を多くして、総資本を厚くする、総資本が厚くなると投下資本も厚くなる、これによって事業スピードを加速させる経営。

これは財務リスクなんでとらないで済むなら、それに越したことはないです。

ただし、リスクをとらない経営、攻めないでもいい経営、というのは理想ですが、社長によっては目指す世界が圧倒的に高いので、財務レバレッジをきかせないと、とてもじゃないですけど事業スピードが追いつかないんです。

そういう社長からすると、財務レバレッジによるリスクよりも、目指す世界が作れない方がよっぽどリスクなんです。

そうであればできることは、財務レバレッジをきかせて攻めの経営をするサポートをしながら、裏側でリスクコントロールをすることですね。

財務レバレッジをきかせた攻めの経営でのリスクコントロールとは?

まずは一番簡単なリスクコントロールから。戦闘シーンを想像するとイメージしやすいです。

撤退プランを作っておく

撤退プランを先に作っておいて、リスクの程度をコントロールするんです。リスクヘッジではありません。ヘッジできるならしたいですが、どこの会社でもできるのはこれです。

新規事業の立ち上げ、新市場への参入などの際に、『損失が累計でいくらになったら、有無を言わさずにとにかく撤退する』など、引き時を先に決めておくんです。財務バランスを織り込みながら。

これを決めないと、あともう少し頑張ればとか、ここまでやったのに、ここまでお金をかけたのに、という状態になり引き際を見誤ります、その間にも傷口が広がっていきます。

ヒト・モノ・カネが潤沢な会社ならいいですが、中小企業にそんな余裕はありません、ダメなら引くんです、ひとまずまた攻めるために。
ここまで作ったのに、という気持ちを捨てて。

これは、いわゆるサンクコスト(埋没費用)サンクタイム(埋没時間)、ですね。

引くに引けないときは、『あと少し頑張ればうまくいく』を当事者が正しく判断することはできないと思ってください、不確定要素も入りますから。
『うまくいく』を正しく判断できるなら、窮地に追い込まれることなんてないです。でも不確定要素があるから、うまくいかないこともあるんです、どんだけ準備しても。だからこそ、先に逃げ方を決めておくんです。

次は撤退プランよりレベルの高い、リスクコントロールです。

代替案を先に作っておく

これはリスクコントロール、うまくはめれればリスクヘッジ、という考え方です。これも戦闘シーンを想像するとイメージしやすいです。

新規事業の立ち上げ、新市場への参入などの際に、うまくいかなかった場合、途中で別の事業にスイッチしてしまう方法です。そのために先に代替案(予備プラン)を考えておくんです、同じリソースでできることを。というか同じリソースでできるように進めるんです。

もし同じリソースでできる収益性の高い既存事業があるなら、それはリスクヘッジになります。
途中で強い既存事業にスイッチしてしまえば、リスクヘッジですよね。新事業への展開はなくなりますが、もう1回すぐに攻めれます。でもこれは結構難しいですね、店舗系のビジネス以外は。

財務リスクをコントロールできないなら攻めてはいけない

これは歴史を見ればわかりますよね、破竹の勢いで勢力図を広げても、勢いだけで長く続いた武将なんていません。

財務リスクを定量化してコントロールする、これができないなら、財務レバレッジをきかせて攻めない方がいいです。財務リスクをコントロールするためには、社長に替わってリスクをコントロールする人が必要ですが、そもそも社長が財務や損益管理を重要視していなかったら話になりません。

伸びる社長は、その辺をちゃんと理解しています、財務の重要性を。
短期的に伸びるだけなら勢いや運だけでもいけますが、数字の重要性を理解してないと、必ず衰退していきます。数字より重要なものはたくさんありますが、資本主義ですから。

だからこそ、長期的に成長していく会社は、必ずリスクコントロールしています。
そのうえで攻めています。

まとめ

財務レバレッジをきかせた攻めの経営をする時は、必ず財務リスクをコントロールすること。
コントロールしないで攻め続けたら、いつかは再起不能になります。
財務レバレッジとリスクコントロールはセットです。

ABOUTこの記事をかいた人


34歳、千葉県生まれ。大学卒業後、税理士法人・財務コンサルティング会社などで10年間勤務の後、独立。現在は中小企業の税務顧問などをしながら、創業100年企業の財務戦略を支援したりと税理士業以外での活動フィールドを拡大中。高城剛は天才だと思う。好きな言葉:一寸先は光。
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