「パナマ文書」世界を揺らす、タックスヘイブンという『パンドラの箱』が開くのか?

パンドラの箱

租税回避地(タックスヘイブン)の『パナマ』の法律事務所から、1,000万件以上の資産運用情報が実名ごと流出した事件の話題が加熱してきました。

日本でも大きな話題になる可能性が出てきました。
4/6の日経新聞でも「租税逃れ」、世界揺らす アイスランド首相が辞任と話題になっています。

これについて、タックスヘイブンを良く知る税理士の目線から書いていきます。

このパナマから流出した情報は『パナマ文書』とも呼ばれ、タックスヘイブン(租税回避地)という『パンドラの箱』の鍵なんです。

なんでタックスヘイブンが『パンドラの箱』なのかは、そもそも何で『タックスヘイブン(租税回避地)』があるのか?を考えるとわかります。

『パンドラの箱』タックスヘイブン

なぜ『タックスヘイブン(租税回避地)』があるのか?

この話は、会計士・税理士業界や、金融業界にいる方なら知っている話ですが、そうでない方でも、次の問いを考えていけば分かります。
ただ、パンドラの箱なんで、できるだけソフトに触れて終わらせます。。

『パナマ』と並んで有名な租税回避地『ケイマン諸島』で考えてみてください。

Q1)そもそも『タックスヘイブン』なる地はどこにあるのか?誰が作ったのか?

 

Q2)世界の金融の総本山はどこなのか?
⇒香港でもシンガポールでもないですよね?、ウォール街?も違います。

 

Q3)先進国で戦争に負けていない国はどこか?

 

分かりますよね。

ただ、この問いで分かる話は表面の話なんで、詳しく知りたい人は、世界の歴史、金融の歴史、OECDでの税制の協議がどう進んでいるか、などを色々深く調べてみてください。
ネットで調べても表面の話しか見えないと思います。

『ケイマン諸島』に限っていうと、『課税がない』ということは、税金そのもののメリットもありますが、『課税がない』という言葉をざっくり言い換えると、取引の経由地を無料で使えるという事です。

ちなみに、オリンパスの損失隠し事件も『ケイマン諸島』絡みでしたね。

『パナマ文書』でパンドラの箱は開くのか?

今回のニュースを見たときの最初の感想は、『パナマ文書』のインパクトはすごい、しばらくは結構な話題になりそう、でも『パンドラの箱は開かない』、です。

箱の守りは堅いんです、鍵があっても最後までは開かないんです、中に何段階も箱が入ってるんです。ロシアのマトリョーシカ人形のイメージです、本当に。

その後にニュースをもう一回見た時に、この情報流出事件は渋いな~、という考えもでてきました。
それは、パナマの法律事務所から流出した情報の行先です。

 

ドイツの新聞社なんです。ドイツ。。渋すぎますよね、偶然だと思いますが。

 

と、ここまでが、『実話に基づくフィクション』です(笑)

最後に税理士としての話

タックスヘイブンはそんなに単純な話ではない

タックスヘイブン、タックス・アービトラージ、タックスシェルター、タックス・スペアリング・クレジット、トリーティショッピングとか、国際税務関係はカタカナ多すぎて大変です。

なんでカタカナばっかりかと言うと、

少し前に、消費税で導入された『リバース・チャージ』という制度で見てみます。

この『リバース・チャージ』という制度は、もともとEUで導入していた制度なんです。
それを日本に持ってきたんでカタカナなんです。つまり海外生まれの制度やテクニックだから、カタカナなんです。当たり前の話でしたね。

ちなみに、海外生まれの制度と日本の税制が合わさったのがこれです。

⇒タックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制とも言います)。
タックスヘイブン(租税回避地)で税金を払っていないなら、その分の税金を日本で払いなさい、という税制です。

この税制があるんで、タックスヘイブン(租税回避地)にペーパーカンパニーを作ってビジネスしようが、基本的には日本で税金を納めることになるんです。
この辺の話はわりと知らない人も多いので、税務調査の恐怖を無駄に煽る前に、こういう情報をきちんと発信すべきだと思います。

タックスヘイブンに会社を作れば、無条件に税金が有利、なんていう誰でもできる簡単な話じゃないんです。そもそも、タックスヘイブン=悪い事をしている、ということでもありません。

 

金融と税制はセットなんで、今後はフィンテックやビットコインについてもしっかり勉強しないとついていけなくなりそうです。

 

今までの税理士業界は、あらゆる業界の中で一番遅れて歩いていたんですけど、だんだん前に出てくる気がします。税理士業界にとっては面白い時代に入っていきそうです。

ABOUTこの記事をかいた人


34歳、千葉県生まれ。大学卒業後、税理士法人・財務コンサルティング会社などで10年間勤務の後、独立。現在は中小企業の税務顧問などをしながら、創業100年企業の財務戦略を支援したりと税理士業以外での活動フィールドを拡大中。高城剛は天才だと思う。好きな言葉:一寸先は光。
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