東芝の不適切会計『キャリーオーバー』、あなたの会社も粉飾してませんか?

粉飾はしてはいけません

東芝の不適切会計は少し前の話なんで忘れてきた頃でしたが、3月末の決算が近づいてきて、キャノンへの子会社売却の話題などで、また記憶に戻ってきましたね。

当時は不適切会計と言われて、上場も維持されて逮捕者もでなかったので、市場関係者以外はサラッと忘れたんじゃないですかね?

って、あれって粉飾だったんじゃないの??

「いえ、あれは粉飾ではなく不適切会計です。
経費を80億円くらいキャリーオーバーしてみたり、とか色んなことしてたら合計1,500億円くらい利益が増えちゃっただけです。
粉もかけてないし、飾りもしてないです。」

「そっか。。たしか宝くじの『totoBIG』のキャリーオーバーも最高80億円くらいだったな。なるほど、粉飾じゃないのか。」

 

ってならないですよね。。。

で、今回は『キャリーオーバー』の話で、『粉飾か不適切会計か?』って話じゃないんで、その話が知りたい方はこちらを読んでみてください。
違う見解の記事を2個つけておきました。

 

では本題入ります。

東芝の不適切会計手法『キャリーオーバー』とは?

1等当せん者がでなかった場合や1等当せん者が出ても配当金が余った場合、
その1等配当金は、次回に繰り越し。これがキャリーオーバー。
キャリーオーバーが発生している開催回は、最高6億円のチャンス!!!

間違えました、totoBIGの方を書いちゃいました。
でも『次回に繰り越す』っていう考え方は同じです。

東芝がやった『キャリーオーバー』

“キャリーオーバー”とされる手法であり、主にテレビ事業で、取引先に請求書の発行などを遅らせてもらい、広告費や物流費を翌四半期に先送りする。
週刊東洋経済より

ざっくり言うと経費の先送りです。

本当は今回の決算に取り込んで決算書に反映させるべき経費を、次の決算にとりこむ。経費が実態よりも少なくなるので、結果として利益が増える。一番簡単な利益操作の手法です。

記事によると東芝は、この手法で88億円も利益を増やしたそうです。

中小企業が知らないうちにやっている不適切会計

中小企業の決算には、監査法人などによる法定監査がありません。なので大企業の決算書に比べると精度は低くなりがちです。

こんな例もキャリーオーバー

【前提条件】
・3月決算
・賞与は年2回(6月と12月)、月給の2か月分は賃金規定で保証されている。
・決算明けの6月の賞与では最低500万円の支払いを予定している
(1月~3月分相当は250万円

⇒この場合に、決算書に250万円が計上がされていない、というのもキャリーオーバーです。(正しくは、決算書BSの負債の部に賞与引当金や未払賞与として250万円が計上されます)

えっ、それもダメなの?と思う人もいるでしょうが、もしこれを上場会社がやったら粉飾決算と言われます。その前に監査を通らないと思いますが。

知らないうちの不適切会計『キャリーオーバー』がなんで起きるのか?

なぜ中小企業では知らないうちにキャリーオーバーをしているのか、それは税金を計算するための決算書になっていて、ちゃんとした実態を表す決算書になっていないからです。

どういうことかと言うと、さっきの賞与の例ですが、あの250万円は税金計算をするうえでは経費になりません。なぜかというと税金計算ではこんなルールがあるからです。

【税金計算でのルール】
決算の時に金額が確定していない経費は、経費として認められない

⇒そのため、賞与金額が確定するのは翌期6月の支払の時であって、決算の時には確定していないため経費にならない。となります。

このように守るべき法律や立場によってルールが変わるんです。
それぞれの関係者に言わせるとこんな感じです。

税務署:
「税金計算上は、賞与500万を支払う翌期の6月まで待ってから、その全額を経費にいれなさい」
監査法人:
「実態を表す正しい決算をするために、3月までに発生している潜在債務250万円は、当期の決算で負債として計上しなさい」

こんな感じで守るべき法律や立場によっていう事が違います。
中小企業には監査法人の法定監査はありませんから、結果として税務署目線の決算書が出来上がりますこれが『知らないうちにキャリーオーバー』の実態です。

例をあげればきりがないので、ここまでにしておきます。

中小企業でも実態を表す正しい決算書を作るなら

会社の実態を正確に把握して先手先手で行動したい、という場合は、ちゃんと顧問税理士さんに相談しましょう。
税理士は正しい決算書の作り方を知っています。なぜなら税理士試験の必須科目に入っているからです。

「どーせ税金計算では経費にならないんだし、面倒くさいからやめよう」とは言わないはずですよ。

ABOUTこの記事をかいた人


34歳、千葉県生まれ。大学卒業後、税理士法人・財務コンサルティング会社などで10年間勤務の後、独立。現在は中小企業の税務顧問などをしながら、創業100年企業の財務戦略を支援したりと税理士業以外での活動フィールドを拡大中。高城剛は天才だと思う。好きな言葉:一寸先は光。
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